数について — 有坂ゆかり展
2010年 05月 07日
数について — 有坂ゆかり展
On Number - Yukari Arisaka Exhibition
企画: 伴田良輔
協力: 言水制作室
主催: SPIN GALLERY
2010年5月17日(月) 〜 5月29日(土)
14:00〜19:00 日曜 休
このたびSPIN GALLERYでは、伴田良輔企画による「数について — 有坂ゆかり展」
を開催する運びとなりました。有坂ゆかりの絵画と伴田良輔の考える抽象的な
「数」の概念の接点を探る野心的な試みです。展覧会と同時に、有坂の絵画を物
理学における「真空」の概念になぞらえて考察した有坂ゆかり/画、伴田良輔/文
『ざわめく真空 有坂ゆかりの絵画』(発行・言水制作室)が刊行されます。
有坂ゆかりの絵画作品をはじめて見たとき、私はちょうど物理と数学の接点に関して調べものをしていたのだった。世界の発生時へと時空のメカニズムを遡っていくとき、物理と数学は一つのものになる。世界の源にあったと思われる真空では、極小の粒子が生成と消滅を繰り返していた。真空という呼び名とはうらはらに、ザワザワとざわめいていたらしい。有坂ゆかりの作品の、抽象とも具象ともとれる、淡くもあり濃密でもあり、また深みとも浅さともとれる奥行きをもつ画面には、静謐さと不穏さが共存していた。ざわめく真空、と私は思わずその作品を呼んでいた。物理と数学の境界が消えた世界のはじまりのその向こうの不穏な状態を描くならまさにこのような絵なのかも知れないと思ったのだった。( 伴田良輔「ざわめく真空 有坂ゆかりの絵画」より )
by diadia3571
| 2010-05-07 18:38
| 展覧会